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【対談インタビュー】小林ななこ(後編)「内面から豊かになるものづくりで、人の心と心を繋ぐ」

こんにちは。井上水晶-mia-です。

 

前回の対談インタビュー前編をふまえ、後編では、

「心の豊かさ」を大切にしてきた彼女が、実際どんな風にものづくりをしていて、

そこにどういった想いがあるのかに焦点をあてて、インタビューしてみました。

対談インタビュー【前編】はこちらからご覧いただけます。

 

水晶:

ところで、ものをつくるときは、いつもどうやってつくるの?

 

ななこ:

「コンセプト」と、使いたい「技法」を使って、何を表現できるか考えるよ。

テクニックは無限にあるから、ある程度絞らなきゃいけなくて、

一番大事なのは「コンセプト」だと思ってる。

 

目的を持ってつくらないと、ゴミをつくってるんじゃないの?っていう気持ちになる。

 

「サステナブル」とかやっていると特にね、

「役に立つものがつくりたい」って気持ちが強くなるんだ。

もちろん、人によってはそれでもゴミと思うかもしれないけど、

自分が納得いく機能をちゃんと考えてつくることは大切だと思ってる。

 

自分の「想い」をこめて、長く大切に使ってもらえるものをつくりたい

 

水晶:

ものづくりをしたい気持ちは、いつから芽生え始めたの?

 

ななこ:

日本の大学に行ってる時もあったんだけど、

その頃は「まだ何かが足りない」と思ってたの。

 

人類が平和に共存する世界への願いを込めて、いろんな国の花が同じ土地に咲いている柄をデザインして、

着物を染めたこともあったんだけど、「ただそれを使ってるだけ」というか。

それが「機能」しているのか、という点では微妙だと思ってた。

↑日本の大学時代に染めた着物の柄

 

どうしたらいいのかわからなくて

もうちょっと「コンセプト」をちゃんと考えるようになった。

 

ロンドンで学んだ、”エモーショナルデュアブルデザイン”っていうのがあるんだけど、

それは、ただ単に丈夫で硬くて「物理的に20年使えるものをつくる」のではなくて、

持ち主が「20年持っていたいかどうか」を一番大切にする考え方があった。

これが、自分の中でとてもしっくりきたの。

 

自分の「感情」とか、「内面」をものに反映させるって素敵だなぁと思って、

そこから、そういうものづくりをしたいって思うようになったんだ。

 

「ものづくり」を通して不幸を生み出す「社会システム」を変えたい

 

水晶:

ものづくりをやっていく上で、自分の原動力になることは?

 

ななこ:

「人を幸せにしたい」「人の役に立ちたい」

「環境や自然にいいものをつくりたい」「世界をもっと平和にしたい」

こういう気持ちがとても原動力になってる。

 

自分の人生はずっと幸せだったんだけど、

いろんな世界を見ていくうちに、

不公平すぎることがたくさんあることを知って悲しくなった。

「貧富の差」とか・・・”ファッション”も、そこにすごく関わってくる。

 

例えば、すごく安い服をつくるために、子供が雇われていたり、

コットンをつくるのに薬品が使われてて

お金がなくて農家がそれを買えずに商売がなりたたなくなって

早死にしてしまったり。[1]

 

私たちの「幸せ」を支えている「不幸」があるっていうのは、

とても嫌な気持ちになるから、

それをなんとかしたいっていう気持ちが大元に強くあるの。

 

水晶:

確かにななこは高校の頃から、

NPOで活動をしたり、人種差別や社会問題にとても関心があったよね。

 

ななこ:

うんずっと。高校の時から。

もちろんこれは、とても良い経験になったんだけど、

自分の中で気づいたこともあったの。

 

自分が嫌な気持ちになることにフォーカスをしていると、気が滅入っちゃうし、

とても悲しくて、頭がおかしくなりそうになる。

なんだか「問題」だけ見てると、何の解決にもならないような気がした。

 

「問題」を叫び続けることも大事なんだけど、

そうしていると、人の心には届かないんだよね。

 

それより人間は、楽しいものを欲しい、と思う。

 

だから、自分の得意なことを用いていきながら、

そういうエネルギーをポジティブに変えて表現したい。

自分自身も、そっちの方が何倍も楽しいことに気づいた。

そして今の表現に行き着いた。

 

水晶:

うん、全てに共感できるよ!

私も音楽をやっている気持ちは、とても近い。

特に、幸せを支えている背景に不幸が存在しているのは、私もおかしいと思う。

人間関係でもそうだけど、本当はみんながもっとピュアなまま

幸せな社会が築けると信じてる。

 

今回インタビューをさせていただき、想いのこもった深い話をたくさんすることができました。人の心を豊かにするものづくりは、芸術と同じように、そこに触れる人の心に大きな影響を与えたり、大切なことを教えてくれるのだと思いました。ななこのこれからの作品がとても楽しみです。

 

小林ななこさん、ありがとうございました!

 

〜プロフィール〜

小林ななこ テキスタイルデザイナー/アーティスト

1991年東京生まれ。子供の頃から、貧困・人権問題に対して関心を持ち始め、高校時代にはNPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパンにて、インドの学校建設や児童労働についての講演会等を企画。次第にアートやデザインを通して社会問題解決に貢献したいと考え、文化学園大学で染織を学ぶ。卒業後、サステナブルデザインとテキスタイルをより広く勉強するために、ロンドンのUniversity of the Arts London, Chelsea college of Artsへ留学。帰国後はYUKI FUJISAWAでのデザイナーアシスタントを経て、現在は大学に就職。ファッション業界の抱える搾取や環境汚染など様々な問題を緩和するために、服の持つ記憶や思い入れに着目した作品や、型染めや刺し子など昔ながらの手仕事の技法を使った作品を制作している。FLAT.では、社会や環境に良いものづくりをしている国内外のデザイナーや、新しい価値観を提案するアーティスト等に焦点を当て、彼らがつくり出すムーブメントを広げていきたいと考えている。

ホームページ https://www.nanakokobayashi.com

インスタグラム @lemonnana  

 

井上水晶-mia- 音楽家

1991年福岡生まれ。3才の時クラシックピアノを習い始め、6才より作曲を始める。11才から14才まで父の仕事の都合で中国・北京に暮らす。16才から松任谷正隆氏の勧めで、シンガーソングライターとして創作活動を始める。音楽を通して社会問題に貢献したいと考え、慶應義塾大学のSFCに入学。2012年6月、東映アニメーション映画『虹色ほたる~永遠の夏休み~』の劇中歌として、松任谷由実の名曲「水の影」を松任谷正隆プロデュースによりカバー。大学卒業後は、テレビ・ラジオ出演、CMソングの制作、コーラスによるレコーディングセッション、ソニーミュージックの講座「ソニアカ」講師など、様々な音楽経験を積みながら、都内のライブを中心に精力的に活動。2017年7月、ソニーミュージック内のハイレゾ配信専門レーベル『Onebitious Records』より音楽ユニット『ツダミア』としてアーティスト活動を開始。ツダミアでは「100年残る音楽」をテーマにした音楽活動をしている。また、「FLAT.」では、様々なクリエイターや活動家の人々と共にサステナブルな活動を広めていきたいと思っている。

 

[1](参考リンク:NPO 日本オーガニックコットン協会より「オーガニックコットンとは」http://joca.gr.jp/main/what-organic-cotton/

 

井上水晶 by
1991年福岡生まれ。慶應義塾大学SFC卒業後、音楽家として活動。現在は「100年残る音楽」をテーマに音楽ユニット「ツダミア」として活動中。

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