【対談インタビュー】宇都宮胡桃(後編)「すべての始まりは『ふるさとの景色を守りたい』という想いから。」

様々なクリエイターや活動家の方が、これまでどういう人生を送り、なぜエシカルやサステナブルなことに興味を持ったのかということに焦点をあてながら対談インタビューをしていくこのコーナー。

前回に引き続き、宇都宮胡桃さんのインタビューをお届けしています!

インタビュー前編はこちらからご覧ください。

 

新しい仲間に出会って、叶えたい夢や目標を形にする力を教わった

胡桃:部活を辞めると決めたときも、その後も、本当に色々なことがあってたくさん葛藤した。けど、色んな人に支えてもらいながら、あのときアメリカに行く選択をして、本当に良かったと思ってる。

最後に退部届を出したとき、私、この決断は絶対後悔しない、って思った。

特に、プロジェクトで出会った子たちには、夢を追いかけたいとか、自分を高めたい、海外で自分の世界を広げたいと思ってる子が集まってるから、すごく刺激を受けたし、福岡県の教育委員会の中で、教師として結果を残した人たちがサポートしてくれる。自分から意見を言う大切さとか、自己開示する力とか、色んなものを振り切ってやりたいことを形にしたり目標を叶える力を学んだ。

自分のやりたいと思うことに向けて、まっすぐに手を伸ばす仲間に出会えた。その子たちとは、今でも連絡をとってる。アメリカにいる子、イギリスにいる子、世界中の色々な場所にいる友達から、いろんな刺激を受けることができてる。

色々なプロジェクトにを参加し、その後慶應義塾大学へ入学

胡桃:アメリカ研修に参加して気づいたのは、自分に「できないこと」だった。勇気とか、英語ができないこととか、周りの人に比べて、自分が劣ってる部分をきちんと認識したことで、やるべきことが見えた。そして帰ってきた後に、すごく英語の勉強をした。そのおかげで成績も伸びた。

自分の道を自分の力で作って行くことができるようになり始め、そのための練習もできるようになってきた。

アメリカの後も、マレーシアの職人のところへホームステイしに行ったり、「TED×Fukuoka」というイベントに参加したり、長野県のリーダーシッププログラムに加わったりと、色々な経験を重ねた。

部活を辞めたからには「結果を残さなきゃ」っていう焦りと、自分を追い立てる気持ちがものすごくあった。

やっぱり国際機関で働いて英語を学びたいと思ったので、そこで働く人たちについて調べてみたら慶應が多かった。だから慶應に行こうと思って。

ただ、それに気づいたのは高2の冬・・・。急に偏差値をあげることはできないから、無謀だと思ってた。どうしよう、って思ったときに、AO入試があることを知って、法学部を受験して、無事合格した。

SNSで出会った、会ったことのない人たちの応援が活動の原動力になった

胡桃:合格したあと、Tabippoの「世界一周コンテスト」に参加した。

(世界一周コンテスト:http://bpf.tabippo.net/2019/dream/

世界一周をして何を遂げたいのか?っていうプレゼンをして、優勝した人が世界一周の空港券をもらえるっていう大会で、1次、2次、3次、と進んだ。

3次はウェブ審査とプレゼン審査だった。そのウェブ審査に必要な投票が、私にとって大事な経験になった。

「私はこんなことがしたいから、世界一周がしたいんです、応援してください」っていう動画や文、投票ページなどを拡散していく。でも、ちょうどその頃は受験シーズンだったから、なかなか友達には言えなかった。だから初めてFacebookをちゃんと使うようになって、自分の想いを発信するようになった。

そこで、全然知らない人たちが、「共感します、応援します」って言ってくれた。そのことにとても感動して。なんでそんなに応援してくれるんだろう、本当にありがたいな、って思った。

結局、私は3次審査で落ちちゃったんだけど、その大会を通して出会った人たちを大切にしたいな、って想いが生まれた。応援してくれた人たちに対して私が返せることってなんだろう?って思ったときに気がついたのは、お礼を伝えることもそうだけど、物質的なお礼じゃなくて自分が活動を続けることだなって。それで、それを報告できるように、ブログを始めたりとか、Facebookで報告するようになったりとかして、どんどんSNSでも自分の世界が広がっていった。

水晶:そして今、慶應のSFCに入る挑戦をしているんだよね?

胡桃:そう。SFCは一回受験のときに落ちてるの。今いる法学部よりも、本当はSFCに入りたかった。

水晶:その入りたかった想いを捨てずに挑戦するっていうのが素敵。

胡桃:自由な場所で、自分の研究テーマをもとに学びたかったから・・・SFCなら色んなことできるな、って思って。

水晶:なるほど! 

これからも、くるるんの夢が叶うように、心から応援しているね!!

インタビューでは、くるるんの自然に対する優しい気持ちがたくさん伝わってきて、胸がいっぱいになりました。これからのくるるんの活動が楽しみです。

宇都宮胡桃さん、ありがとうございました!!

 

~プロフィール~

宇都宮 胡桃(うつのみや くるみ)

福岡県北九州市生まれ。

FLATディレクター・ライター

小学2年生の頃から環境問題の活動を始め、今年でついに13年目。子供の頃から自然が大好きで、小学校の夢は『樹木医』。

大学では里山資本主義の考え方に衝撃を受け、農業、地方経済、再生可能エネルギーを全国で学ぶ。様々な立場の人と出会う中でエシカル消費の重要性を感じ、2017年にFLAT.を発足。「多様な価値観」を批判せず暮らしに馴染む「新しいエシカル」を発信する。

個人の考えとしては、エシカルを理由に買うのではなく、本当に良いものを広めたい。「正しい」を伝えるのではなく、「楽しい」を輝かせたい。これをモットーに、記事では長く続くものづくりや、デザイン重視のエシカル商品を紹介します。

井上水晶 音楽家

1991年福岡生まれ。3才の時クラシックピアノを習い始め、6才より作曲を始める。11才から14才まで父の仕事の都合で中国・北京に暮らす。16才から松任谷正隆氏の勧めで、シンガーソングライターとして創作活動を始める。音楽を通して社会問題に貢献したいと考え、慶應義塾大学のSFCに入学。2012年6月、東映アニメーション映画『虹色ほたる~永遠の夏休み~』の劇中歌として、松任谷由実の名曲「水の影」を松任谷正隆プロデュースによりカバー。大学卒業後は、テレビ・ラジオ出演、CMソングの制作、コーラスによるレコーディングセッション、ソニーミュージックの講座「ソニアカ」講師など、様々な音楽経験を積みながら、都内のライブを中心に精力的に活動。2017年7月、ソニーミュージック内のハイレゾ配信専門レーベル『Onebitious Records』より音楽ユニット『ツダミア』としてアーティスト活動を開始。ツダミアでは「100年残る音楽」をテーマにした音楽活動をしている。また、「FLAT.」では、様々なクリエイターや活動家の人々と共にサステナブルな活動を広めていきたいと思っている。

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