こんにちは。井上水晶-mia-です。
私は普段、音楽家として、作品をつくり、表現する活動をしています。いよいよソーシャルメディア「FLAT.」が立ち上がりました。このメディアがこれから私たちの生活に与えてくれる様々な「豊かなこと」に、私は心から楽しみにし、期待しています。
私の役目は、サステナブルな活動をしている「クリエイター」や「活動家」の人々に出会い、「FLAT.」に参加した理由と、その人がこれまでどのようなことをしてきて、なぜエシカルなことに意識を向けたか、といった部分に焦点をあてながらインタビューをして、その内容をここから文章でお伝えしていくことです。
第一弾は、クリエイターの「小林ななこ」さんにインタビューをしました。
この「FLAT.」のメンバー、ななこは私の高校時代からの友人でもあります。日本の大学で染織、ロンドンでテキスタイルとサステナブルデザインを学び、ちょうど去年、日本に帰国しました。ななこと再会したとき、彼女の「変化」と、内側から輝く「魅力」に、とてもびっくりしました。
ななこ:
ものづくりをやっていて、「環境」とか「社会」を良くして、人を幸せにしたい、という気持ちがいつも軸にあって・・・
だから「物質的に豊かになる」ということよりも、
「内面」を通して人との繋がりを考えられるようなものをつくりたい。
水晶:
私がやっている音楽活動も、「100年残る音楽」というのをテーマにしてるんだけど、
音楽家として「本当に良いものだけをつくりたい」っていう気持ちは強くあるなぁ。
ななこ:
そう。
たとえば 今、「インテリア」に関するものをつくってるんだけど、
インテリアってその場所にあるものだから、
「ある」だけで、そこに集まる人を繋げているよね。
水晶:
確かにそうだね。「家族とご飯を食べるためのテーブル」とかを考えると分かりやすいね。
ななこ:
私はもっと「人との繋がり」を生み出すものをプラスしてみたい。
例えば、テーブルクロスに、メッセージを残す。
で、別の人が来て、それを読んで何かを感じ、受け取る、
そういう「想い」の循環を繰り返していく・・・みたいなもの。
水晶:
テーブルクロスにメッセージを残すってどういうこと?
ななこ:
例えば、ポケットみたいになってて、
それがポストみたいな役割になってて、手紙が入ってて・・・
中に入ってるのは、言葉じゃなくてもいい、プレゼントとか。
何かを交換したりできるようにもなってて、
それを全く知らない人と共有したりすることもあるの。
そこには、「人と人とが思わぬ形で影響し合う」っていう驚きもある。
“ボトル”とか、”瓶”とかを使ってもいいなぁ・・・素材はまだわからない。
水晶:
なんか聞いていると、私は「音楽」にとても近いな、と思っちゃった。
私は歌詞を書いているから、その「想い」を交換したいって気持ち、よくわかる。
聴く人たちに、幸せになってもらいたいっていう想いもあるし。
でも、それがインテリアというものに生かされるとは、画期的だなあ!
水晶:
そういえば、ななこが前につくっていたTシャツも、素敵なコンセプトがあったよね。
ななこ:
うん。「人と人の関係や、服との関係を内側から考える」っていうテーマだった。
私、エモーショナル(感情的)な人間だから、こんなコンセプトが浮かぶのかな(笑)
水晶:
ななこのコンセプト、とても好きだったよ!
ななこ:
なんか、今私が言ってることって、全然難しいこととかじゃないんだけど、
純粋に「ワクワクする」というか・・・
だって、恥ずかしがってやらないようなこととか、とてもロマンチスト的なことって、
普通はやらないけど、やったら新鮮じゃない?
そこには遊び心があって、子供のときの「心」を思い出せる。
大人になったらなかなかやらないから。
水晶:
私もたまに、「生きる」ってそういうことなんじゃないかって思うときがある。
1日の中でいかに楽しみを見つけるか、って、私にとってとても大切。
例えば、人を楽しませたり、プレゼントを用意してみたりするのって、
毎日が豊かになるし、気持ちも幸せになるよね。
ななこ:
今よりも昔の方が、そういう「心の豊かさ」があったのかなって気がしてて・・・
例えばクラフトでいうなら、当時は全部手づくりだったんだよね。
お母さんが、子供のために洋服をつくるんだけど、
その洋服の後ろに刺繍を入れることを「背守り」と言うの。
社会が貧しくて、子供がすぐに死んでしまう時代は、
そういう刺繍に魔除けの意味があった。
子供の幸せを願う柄とか、
そういう気持ちって素敵だと思う。
今はあまりしないけど、
「自分がものをつくって人のためを思う」って本当は大切だよね。
水晶:
ものがあまりなかった時代の方が、きっと「心の豊かさ」が多いよね。
ななこ:
ものごとに関する「appriciate = 感謝の気持ち」がつよい。
その精神性って素晴らしい。
今はものがあり過ぎるから、思いやらなくなるのかなぁ?
ものがあることが当たり前だから、幸せに気付きにくいというか。
水晶:
今の若者はものがありすぎて、困ってる。私はそう思うなぁ。
ななこ:
うん、なんか周りを見ていても、ミレニアル世代はものを買わないね。
でもこれはきっと、いい流れなのかもしれないね。
大量にあるものの中から、良いものだけ抽出してるのかもしれない。
小林ななこさんの対談インタビュー“前編”はここまでです。
“後編”では、「心の豊かさ」を大切にしてきた彼女が、実際どんな風にものづくりをして、そこにどういった想いがあるのかに焦点あててインタビューしてみました。
ぜひご覧ください。