「ふらっと」のぞいてく? "エシカル" "サステナブル" をもっと身近に、もっとおしゃれに。

ゴミという概念を問うドレス「リ・サイクル・スタイル」

(出典:Re-cycle-style)

 

あなたが今日ゴミ箱に捨てたゴミはなんですか?

スーパーのレジ袋?チョコレートのパッケージ?お弁当についてきたプラスチックのフォーク?

 

こういったものは、私たちが使い終わった瞬間ゴミになり、毎日当たり前に捨てていませんか?

そのような”ゴミ”に着目し、新たな命を吹き込むファッションブランドがあります。

 

どんな素材もドレスに変わる

ペットボトルから作られたドレス (出典:Re-cycle -style)

 

リ・サイクル・スタイル(Re-cycle-style  http://re-cycle-style.com/)は、2008年にコスチュームデザイナーの谷公美子さんによって設立された、イギリス・ロンドンを拠点とするファッションブランド。身近にある廃材やリサイクル可能な素材といった、環境に配慮して作られた素材を使ったドレスやコスチュームを制作しています。

 

ベルリン・ファッションウィーク2018で発表されたコレクション”Colours for green”の一つ。主な素材は、生地のサンプルとプリーツされた紙、プラスチックのフォーク (出典:Re-cycle-style)

 

 

スーパーのレジ袋で作られたドレス (出典:Re-cycle-style)

 

スーパーのレジ袋やチョコレートのパッケージ、ペットボトルや新聞紙、インテリアデザイン会社の使わなくなった生地サンプル、ポータブル・ソーラーパネル等が、デザイナーの公美子さんの手によって、完成度の高い装飾的なドレスに仕上がります。

 

ゴミに新たな価値を与える

スイスのチョコレート会社Lindtとコラボレーションした、チョコレートのパッケージから作られたコレクション。ちなみに筆者もロンドン留学中に制作アシスタントをしました。(出典:Re-cycle-style)

 

リ・サイクル・スタイルは、毎日身の回りで大量に廃棄されるゴミを、新しい価値のある物に変え、人々のゴミやリサイクルに対する意識を変えていくということをコンセプトに活動、大量生産による品質の低下や人々の物に対する扱いの変化に疑問を感じ、ゴミをアートやファッションとして表現することによって、普段私たちがどれ程多くのゴミを出しているか、それらは本当に無駄なものなのかということを人々に訴えます。

 

最近では、ブライトン・ファッションウィーク(2015)、エシカルファッションカレッジ(2015)、ベルリン・ファッションウィーク(2015-18)、イギリスの太陽光・風力発電所Westmill Sustainable Trustのイベント(2017-18)での作品発表し、そのファッション性、意外性と技術の高さで多くの人を驚かせました。

 

また現在は、国際環境NPOのグリーンピース・ジャパンが主催する漁業における混獲問題を提起するウェブ動画「混獲-Bycatch-」(http://act-greenpeace.jp/ocean/)に参加しています。

(次回の記事にて紹介予定)。

 

まずは現状を知ること、問題に気づくこと

Re-cycle-styleデザイナーの谷公美子さん(出典:Re-cycle-style)

 

公美子さんは日本の若者へ伝えたいこととして、このように語っています。


「私は現在ロンドンに住んでいますが、イギリスではここ最近、環境問題がニュースなどで頻繁に取り上げられています。また、アーティストやファッションデザイナー、あるいは会社が環境をテーマにして発表したり、新しい製品を開発したりするのも、よく見かけるようになりました。

それらを見て私が思うことは、イギリスはイギリスの、他のヨーロッパの国はそれぞれの国の状況や歴史、今の状況に沿って、作品制作または商品開発しているということです。

日本でも最近では、伝統工芸の新しい形での復興や、昔の建物を生かしたレストラン・カフェやショップなどが多くなってきていますよね。昔の建物だけれど、どこか新しい感じ。とても素敵だと思います。

私は、まずは日本のことをもっと知ることが、色々な事においてのスタートラインなのかなって思います。そして、並行して海外の同じ分野での活動を知ることもいいですよね。私自身も常にそのように心がけています。」

 

“ゴミ”という概念を疑ってみる

ブライトン・ファッションウィーク2015でのランウェイ(出典:Re-cycle-style)

 

現代のロンドンの街にあふれている大量のゴミを、イギリスの伝統的な形のコスチュームに生まれ変わらせるという、現代の環境問題に取り組みながらその土地ならではの特徴を生かしたリ・サイクル・スタイルの作品。

その作品は、「使わなくなった物=ゴミ」という概念を覆し、全ては循環するべき物ではないかという気づきを私たちに提示してくれているように感じました。

日本人は1日1人平均で約925g、1年で約378kgすのゴミを捨てていて、全人口だと1年で東京ドーム116杯分にあたる4317万tにも上ります*。

 

物で溢れた現代では、物の価値は低くなり、私たちは何の疑問も持たずに物を捨てることに慣れてしまっていますよね。

これからゴミを捨てる時には、その物は本当にゴミなのか?と価値を問うことで、ゴミを減らしていくことができるのではないでしょうか。

 

 

*参考:環境省 「一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成28年度)について」

 

谷 公美子

プロフィール

埼玉県生まれ。Re-cycle-style 代表。イギリス在住のコスチュームデザイナー。CentralSaint Martins College 卒業、カイリー・ ミノーグやポール・マッカートニーの衣装製作やディズニー映画、ハリーポッターのシアタープロダクション製作チーム等に参加し経験を積む。

再生可能エネルギーや持続可能な社会に興味をもち、アップサイクル=リサイクル可能な材料を使用して衣装を制作している。イギリスやドイツで行われるファッションウィーク・サステナブル部門で発表を続ける。

またイギリスのシアタープロダクション”Secret Cinema”やミュージックビデオなどの衣装の制作・作品提供など様々なアーティストとコラボレートしながら表現の幅を広げている。

 

http://re-cycle-style.com/

https://www.facebook.com/RecycleStyles/

https://www.instagram.com/re_cycle_style

 

小林ななこ by
1991年東京生まれ。子どもの頃から人権や貧困問題に関心があり、高校生の頃より人権系NPOで活動を始める。大学では染織を専攻。卒業後、ロンドンのChelsea College of Artsでテキスタイルデザインとサステイナブルデザインを学ぶ。クリエイティブな方法で、社会問題の解決や世界平和に貢献したい。

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