(出典:Craftivist Collective)
ポケットに知らない人からの手書きのお手紙が入っていたら・・・
あなたはどんな風に思いますか?
例えばこんなポエムはいかがでしょう?
“もし服が話せるとしたら・・・どんなことを教えてくれるだろう?
愛と喜びに満ちて作られた物語?
それとも悲しみと傷心の物語?
あなたの着ている服はなんて言うだろう?”
実はこれ、洋服が作られる背景をより多くの人に考えてもらうきっかけを作るための、手紙のキットに書かれているポエムなんです。
ミニ・ファッション・ステイトメント(出典:Craftivist Collective )
ミニ・ファッション・ステイトメント(Mini Fashion Statements)という名前のこのキットは、3つのポエムから1つ選んで、手書きで小さな紙に書き写し、ファストファッションのお店で売られている洋服や身近な人の着ている服のポケットに忍ばせるというもので、イギリス・ロンドンのクラフティビスト・コレクティブ(https://craftivist-collective.com/) という集団が企画しています。ストックホルムファッションウィーク中に初めて行われた、ファッション産業に対して透明性と倫理性を求めることを目的としたプロジェクトで、来場した多くの人に服の作られる裏側について考えるきっかけを与えました。
設立者のサラ・コーベット(出典:Craftivist Collective)
クラフティビスト・コレクティブは、2009年にサラ・コーベットによって設立された、クラフトによって世の中にポジティブな変化を作ろうという集団。敵意を全面に出した抗議活動ではなく、思いやりのある優しい抗議活動(gentle protest)を勧めています。
ロンドン・ファッションウィークに合わせて貼られたミニ・バナー(出典:Craftivist Collective)
サラは元々、様々な社会問題に対するキャンペーンを行うNPOやNGOのアクティビスト(活動家)として活躍してきました。しかし、あまりに多くの対立に疲れ果て、従来のアクティビストのやり方に対して本当に効果があるのか疑うようになり、新しい方法を探し始めました。
そんな時、アメリカ人クラフター/ライターのベッツィー・グリアーの本で、手芸やクラフトなどのアートやクリエイティビティを使って行う社会運動や抗議活動をする、「クラフティビズム」と出会い、自分の活動に取り入れることにしたと語っています。
現在、何千人ものメンバーを持つクラフティビスト・コレクティブは、常に個人や団体で参加できるプロジェクトやツールを開発中です。
サラは、ミニ・ファッション・ステイトメントの他にも様々なプロジェクトを行っています。自分と違う意見を持った人に怒りをぶつけるのではなく、ギフトとして手刺繍でメッセージを施したハンカチを渡すためのキットや、街中にそっと飾っておくミ二・バナーのキットなど、遊び心満点でロマンティックな方法で意見を主張することを提案しています。
アクティビストのマララ・ユスフザイさんもCraftivist Collectiveのワークショップに参加 (出典 :Craftivist Collective)
アクティビストや抗議活動というと、どうしても考えの違う人と人が対立・敵対するイメージがありますが、このような手法によって相手に歩み寄る伝え方は、より人々の心に響くのではないでしょうか。
誰でもわくわくしながら参加できるクラフティビスト・コレクティブのプロジェクト。もし参加したければ、ウェブサイトからメーリングリストへの登録、キットの購入ができます。
あなたももし何かのメッセージを伝えたくなったら、誰かの服のポケットにお手紙を忍ばせることから始めてみませんか?
公式サイトhttps://craftivist-collective.com
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