「ふらっと」のぞいてく? "エシカル" "サステナブル" をもっと身近に、もっとおしゃれに。

【対談インタビュー】木村萌(前編)「純粋な想いを大切にしながら“愛着”が生まれるものづくりをしたい」

これまでどのようなことをしてきて、なぜエシカルやサステナブルなことに興味をもったのでしょうか…?

 

この「対談インタビュー」のコーナーは、私井上水晶が、エシカルやサステナブルな活動をしているクリエイターの人生、活動の元となる“想い”に焦点をあてながら、インタビューをしていく連載記事です。

前回お届けした小林ななこさんに引き続き、第二弾は「木村萌さん」にインタビューをしました。

萌さんは、日本の大学でプロダクトデザインやグラフィックデザインを学んだ後、ロンドンの美術大学に留学し、Designer Makarという学科で、クラフトや素材について学んでいました。

2016年に日本に帰国、現在はデザイン系のお仕事をする傍ら、FLAT.でライターとして記事を書いています。 インタビューを進めていくうちに、萌さんがこれまで制作してきた「作品」の一つ一つに、とても大切な想いが込められていることに気付きました。

 

人の想いや感情には、お金で計れないほどの価値がある
〜 願いを込めながらオリジナルアクセサリーをつくれる「お守りキット」〜

木村萌(以下、萌): 日本でも海外でも、食べ物やスパイスは、幸運や、厄除けとか 文化によって様々な意味合いを持っているよね。

それを粉末にして、色をつける材料にして、ジュエリーや素材と組み合わせながら、自分だけのお守りをつくる「お守りキット」をつくったんだ。

水晶:そのお守りって、どうやってつくるの?

萌:たとえば、恋愛運と、金運が欲しいと思ったら、それにまつわる食材を選ぶ。仕上げに、厄除けとしてちょっと塩を入れて・・・とか。楽しみながら、自分が好きな色をつけていく。

それを、グラスワックスっていう素材と混ぜ合わせるんだけど、熱するとトロトロになるから、そこに材料を入れて、くるくるして、ネルネルネルネみたいにつくるの。

水晶:ネルネルネルネって子供の頃に食べたあの混ぜるお菓子だよね。懐かしい!

萌:それをこうして型に入れて、固めて、完成!

水晶:可愛い!ピアスもあるんだね。

萌:ちょっと魔女っぽいでしょ?

水晶:うん!この作品を見て私、子供の頃に「お守り」とか「魔女的なもの」がすごく好きだったことを思い出した。ネイティブインディアンの「ドリームキャッチャー」とか、トルコの「ナザール・ ボンジュウ」とか。どうしてもほしくて、おじいちゃんにお願いして海外から買ってきてもらったこともあったくらい。

だから「お守りキット」は、なんだか子供の心を思い出す。

萌:「ドリームキャッチャー」は、私も小さい頃、ものづくり教室でつくったよ。 小学校で仲良くしていた友達の親たちが、「民族っぽいもの」が大好きでね。 たくさん影響を受けたと思う。

「想い」や「感情」が刻まれると、ものに対して「愛着」が生まれる。

そこにはお金では計れないほどの価値があると思って、このキットをつくったんだ。

 

ものづくりの考え方を大切にしながら、新しいアイデアを生み出す日々

水晶:「ものづくり」への興味は、子供の頃からあったの?

萌:そうかもしれない。 私は一人っ子で育ったから、もともと一人遊びが大好きだった。小学生の頃から、ものづくりの授業にもたくさん参加していた。

でも、海外映画も好きだったから、高1で自分の進路を決めるとき、「美術系」か「国際系」どちらに進むかでとても迷った。最終的に、デザインをやっていても、あとから海外と繋がることはできるような気がして、美大に行くことを決めた。

水晶:大学生活は楽しかった?

萌:うん、すごく楽しかった!「基礎デザイン学科」っていう学科に行ったんだけど、プロダクト、デザイン、映像、シルクスクリーンとか何でもできて、写真を現像できる部屋もあったし、とにかく環境が良かった。

グラフィックとかプロダクトとか、美術系には色々なジャンルがあるけれど、手段よりも「考え方」を学びたいと思ってた。 「考え方」ができあがれば、アウトプットはあとから色々なもので対応できるから。 新しい考え方に触れると、「ここからこんなものが出来上がるの?」ってびっくりしたりする。

 

水晶:私も普段、音楽活動の中でアイデアを必要とすることが多いんだけど、アイデアってどんなときに 浮かぶ?

萌:んーお風呂の中とか?シャンプー流してるときとか!

水晶:あー分かる!私は「水」に触れているとき、とても良いアイデアが湧く。

萌:なんでだろうね?あと寝る前とかに、突然ポンッて出てきたりする。

水晶:閃いたときの衝動ってすごく楽しいよね!

 

「枠」にとらわれず、純粋な気持ちで素敵なものをつくり続けたい

水晶:エシカルに興味を持ったのはいつ頃?

萌:エシカルについては、そんなに詳しいわけではないんだけど、ものをつくっていると、なんでその素材を選んだのかについて、理由を聞かれることがある。 そこから情報収集しているうちに、「サステナビリティ」とか「アップサイクル」という考え方に出会った。

中でも「アップサイクル」は、素材的価値が全くなかったものが、デザインを通して特別で素敵なものになるので、純粋にとても面白いと思った。

ロンドンにはそういった、素材から考えてものづくりをしているデザイナーが多くいて、レクチャーしてくれる機会も多い。 日本にはまだまだそういったことをしている人に出会える機会が少ない。

水晶:日常では、素材をただの素材として見る感覚が溶け込んでしまっていて、素材自体が持つ本来の機能とか可能性を見落としがちだよね。例えば「アップサイクル」ではゴミを素材にするように。

目の前に全く新しい可能性があるのに、そのことに気づかないで生活してしまっているのかもしれない・・・。 だから、新しいものの見方やデザインによって特別な価値に気づかせてくれることは、素晴らしいことだと思う。

 

木村萌さん対談インタビュー【前編】はここまでです。

【後編】はこちらからご覧ください。

井上水晶 by
1991年福岡生まれ。慶應義塾大学SFC卒業後、音楽家として活動。現在は「100年残る音楽」をテーマに音楽ユニット「ツダミア」として活動中。

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