【インタビュー】ストローから始まる人との繋がり(後編)

先日、カフェで食事をしたときに使ってみました

 

前回の記事では、のーぷら No Plastic Japanのノイハウス萌菜さんにインタビューしました。

今回はそのインタビューの後編です。

前回の記事を読んでいない方は、まずはそちらから読んでみてください。

 

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シンプルに、わかりやすく

 

りょうこ:のーぷらという名前に込めた想いはある?

モナ:まず、何よりもわかりやすさを優先させたいなと思ったの。No Plastic Japanっていう名前から、この活動はプラスチック問題に焦点を当てているということがすぐに分かってもらえる。それから、名前を日英両方でつけたのは、日本人だけにとか外国人だけに限定した活動にするよりも、もっと包括的に多くの人を巻き込みたいと思ったから。どんな人が見ても分かるようにしたいっていう想いはあったな。

りょうこ:たしかに、No Plastic Japanっていう名前聞いただけで、「あ、これはプラスチック問題に対する反対なんだな」っていうのがすぐにわかる。

モナ:もちろん、つけようと思えばかわいい名前やおしゃれな名前もつけられるけれど、そうすると後から追加の説明も必要になっちゃうから、シンプルさを優先させたかったの。

りょうこ:のーぷらのロゴは自分で書いたの?

モナ:うん。シンプルに!海にプラスチックごみが漂っていることを表現したかったんだ。小さなブランドだからこそ、余計な情報は敢えて加えずに、シンプルに、ダイレクトに伝えることを意識したよ。

 

一人の力は意外と大きい、まずは自分ができることからやればいい

 

りょうこ:のーぷらのコンセプトは、どちらかというと啓発をメインにしているのかな?

モナ:うん。一般的に、1人でできることは少ないって思われてるけど、実際はそんなことなくて、意外と多い。私も長い間、「私がやっても何も変わらない」って思ってたんだけど、本当はそんなことないんだよね。例えば、私がお店で「ストローはいりません」って断っている姿を見た人が関心を抱いてくれて、その人も次回から同じようにストローを断るようになるかもしれない。きっと思わぬところで広がることもあると思うんだ。そういうところも含めて「誰でもできるんだよ」っていうメッセージを伝えたい。まずは1人1人ができることをやればいいんじゃないかな。

りょうこ:みんな、1人で何か大きなことをやらなくちゃって気構える必要はないと思う。「これならできそう!」って思うものから始めればいいんだよね。

モナ:私もこの活動を実際に始めてみて「あまり難しく考えなくていいんだな」って思えた。やってみると、意外に色んな人からのサポートや、同じ考えの人との新たな出会いがあって、この活動を自分だけで抱えているという感覚は全然ない。やりたい人がいるならどうぞって。この前も友達がたくさん買ってくれて、それをその友達に売ってくれたり。こうやってインタビューしてもらったり。「皆でやっている」っていう感覚がすごい強い。それはとても嬉しいこと。

 

ストローは太さの異なる二種類があります

入り口は広く、でも背景も理解してほしい

 

りょうこ:のーぷらが拠点のようになって、そこから伝播していけばいいよね。

モナ:本当は政府が規制をしてくれたらいいんだけど、そうじゃなくてもこうやって下からじわじわと人々の意識を変えていくことで何か変わることはあるはず。まずは、多くの人に少しずつでも問題を認識することから始めてほしい。だから、例えばお店にストローを置いてもらうときに、できればストローやプラスチック問題について説明する時間があるといいんだよね。買って終わりにするよりは、会って説明して、理解してもらいたい。「かわいいから」「おしゃれだから」っていうのは入り口としてはいいけど、その背景もちゃんと知ってもらえれば一番いいかな。

りょうこ:入り口はポジティブなほうが入りやすいと思うけれど、そこで終わりにはしてほしくないよね。

モナ:でも、批判ばかりするのではなく、できるだけポジティブで責めないようなアクティビズムがいいな。

りょうこ:そうだね。例えば、私もエシカルファッションのことを周囲に話すときに、「ファストファッションは云々」ってネガティブなことをいうのは、すごい入り口を狭めてしまうなって感じた。もちろん、知ってほしいという気持ちはあるんだけどね。

モナ:そうそう、結局ネガティブな面を強調しすぎると「じゃあ、どうするの?」って言われる。ただ「意識高いね」と言われて終わるんじゃなくて、その先のソリューションを提示することが必要。「これ、すごーい!」って思ってもらえるようなポジティブなもののほうがみんなも知りたくなるはず。

りょうこ:まずは単純に興味を引きつけるようなものじゃないと、広い世代の人には伝わらないなって思った。

モナ:実際、SNSでもポジティブな投稿をした方が絶対リアクションもいいと思う。今日もちょっとネガティブな投稿をしたら誰も反応しなかった!私としては「みんな知って!」って思うんだけど、「新しい◯◯が開発された」っていう投稿の方がみんな食いつくんだと思う。

りょうこ:ある程度問題意識のある人は、むしろ問題のほうを知りたい人も多いと思うけど、興味がない人はいきなり問題には意識が向かないよね。

 

「一緒にやっていく」という感覚を大事にしたい

 

りょうこ:のーぷらの活動を始めて、3ヶ月くらい経ったと思うんだけど、どの程度広まってきてる?

モナ:詳しく調査をしているわけではないから分からないけれど、広告をせずに全国津々浦々からストローを注文してくれる人がいるから、どうやら知らないところで広まってるみたい。あとは知り合いの繋がりを通しての広がりは絶対あると思う。

りょうこ:個人だけじゃなく、お店でも広がってきてる?

モナ:うん、今都内で実際に使ってくれているお店は2店舗あって、あとは興味あるって言ってくれているところも何店舗かあるよ。

りょうこ:のーぷらの場合、レンタルできることが大きいよね。興味があったとしても、使い心地が分からないために購入を渋る人は多いと思う。

モナ:そうね。お店で使うとなると、どうやって洗うのか等の説明も必要。だから私は「一緒にやっていく」っていう感覚を大事にしていきたい。私がただストローを売って、向こうが買って終わりじゃなくて、例えばときどき私もお店に行って様子を伺ったりして、長く続く関係を作りたいなって思う。こちらとしても使い心地が悪かったら、そういう意見はすごく聞きたいし、逆にお店の人から「お客さんが○○って言ってたよ」っていう声を聞けるかもしれない。だから「私がやる」「お店がやる」っていうよりも「みんなでやっていこう」感を出していきたいな。

りょうこ:どんどんそういう輪を広げていけたらいいよね。

モナ:知らないところで色んな人が見てくれていると思うから、その人たちも含めて大きな輪を作っていきたい。

りょうこ:最後に、今後の展望は?

モナ:最終的には、消費者のほうから消費するものに対して意識的になってほしいな。入り口は様々だと思うけれど、まずはモノを大事にすることと、何かを買うときに自分が与える影響を考えてほしい。ストローを多くの人に使ってもらえれば嬉しいけど、そこにすぐに辿り着かなくてもいい。まずは考えるきっかけをつくりたい。

ノイハウス萌菜さん

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洗い方はとても簡単!持ち運びも楽々

 

 



それぞれに専用のブラシが付いています

 

インタビューの後日、実際に購入したストローを使ってみました。

私は普段自宅ではストローを使う機会はありませんが、カフェでドリンクを注文するとだいたいプラスチック製のストローがついてくるので、それを断ってのーぷらのストローを使ってみました。(記事の最上部の画像参照)

ちなみに今回使ったのは細いほうのストロー。

スムージーやタピオカを飲む場合は、太いほうのストローを使うといいと思います。

細いほうにも太いほうにも専用のブラシが付いているので、使ったあとはそれでササッと洗います。

私はお店を出る前に、お手洗いに行くついでに洗いました。

おそらく多くの人は私と同様、お店を出る前にはお手洗いに行くことが多いと思うので、その際に簡単に洗えます。

ある程度水洗いしておけば、帰宅してから洗剤で洗うときも楽チンです。

 

 

ストローもそうですが、マイバックやマイ箸を敢えて選択している人はまだまだ少ないと思います。

でも、インタビューをしていく中で、すぐそこに至らなくてもいいのだと気づきました。

そういうものを使うことが目的なのではなく、まずは現在起きている問題を認識して考えること。

そこが一番大事なんじゃないかと思います。

 

のーぷら No Plastic Japan https://noplasticjapan.com/

Instagram https://www.instagram.com/noplasticjapan/?hl=en

投稿者プロフィール

Ryoko
Ryoko
1997年生まれ。津田塾大学在学中。食品産業の裏側を知り、ヴィーガンになる。関心トピックは「食」「環境」など。より多くの人が「生きやすい」と思える社会を目指していきたい。趣味はヴィーガンカフェと古本屋を巡ること。

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