「ふらっと」のぞいてく? "エシカル" "サステナブル" をもっと身近に、もっとおしゃれに。

フランスで見つけた、「本当の豊かさ」

エシカルやサステナビリティへの取り組みが盛んなヨーロッパ。そして、ファッションの発信地フランス。今回は、単身フランスでファッションを学び、ファッションブランドatelier Bourgeonsを立ち上げた、真鍋実恵さんへインタビュー。実際にエシカルファッションブランドを運営されている真鍋さんに、フランスで生活する中で見えてきた「エシカル」について伺いました。

 

 

「エシカル」との出会い

 

ー 「ファッション」に興味を持ち始めたきっかけはありますか?

真鍋さん:中学の頃からファッション、特に「一点もの」に惹かれていて、古着が好きでした。でも、「欲しい!」と思った服で自分に合うサイズがなかったんです。だから、独学でリメイクして、自分にフィットするような服に作り変えていました。

高校は普通科に通っていたので、服に関する専門的な知識は全然無くて。高校を卒業したらファッション系の学校に行きたかったのですが、両親からすごく反対されました。でも、将来ファッションをやりたいって気持ちは強くあって、「大学卒業したらファッションの本場フランスへ行きたい!」って思っていたので、その準備の一つとして大学ではフランス語を専攻していました。

 

ー ずっとファッションに対して興味があったのですね!どういった経緯で「エシカル」に出会ったのですか?

真鍋さん:大学3年生のときだったと思います。その頃ファストファッションブランドが日本でも急増していて、より安くより多くファッションを生み出していくことに対して、自分の中でモヤモヤするものがありました。そういったモヤモヤを感じていたタイミングで、スタイリストの長瀬典子さんに、名古屋で開催されるエシカルファッションショーに誘っていただいて。長瀬さんの影響で「エシカル」って言葉を初めて知ったし、生産背景や環境に配慮したファッションがあるってことを知って、自分の中のモヤモヤが晴れましたし、自分が進むべき道が見えた瞬間でもありました。それから、エシカルファッションブランド INHEELS 創設者の岡田有加さんがブランド創業前にやっていた勉強会に参加したりして、「エシカル」を勉強していきました。

 

 

フランスで感じた、エシカル観

 

ー 大学卒業後はフランスへ行かれたのですか?

真鍋さん:卒業後、半年間資金を貯めてからフランスの洋裁学校へ行き、3年間基礎から応用までパターンを学びました。週の半分働いて、半分は無償で授業を受けることができるプログラムだったので、ファッションを学びながら現地のレディース向けアパレルブランドで働くこともできて。実際に本場のファッションブランドで働けたので、経営のことも学べたし、フランスにあるエシカルブランドの存在も知ることができて、得るものが大きかったです。

 

実際にフランスで暮らしてみると、古着をいかすヴィンテージの文化がすごく根付いてるって実感しました。古いものを大切にしていく「ブロカント」の心が、すごく自分にフィットして、自分も一点もののリメイクをしたいって思うようになりました。

自分自身のアイデンティティは「日本」で、デザインのベースは「フランス」。この2つの国のカルチャーをコラボレーションさせたくて、自分で「Atelier Bourgeons(つぼみ)」というブランド立ち上げました。このブランドで、日本の素材で作った服を日本だけでなく、フランスへ発信していきたいと思っています。

 

繊細かつ大胆なデザインのコレクション。

 

エシカルは、「本当の豊かさ」を見つけるための指標

 

ー ヨーロッパでは「エシカル」がしっかり広まっている印象なのですが、実際にフランスで暮らしてみてどう思われますか?

真鍋さん:たしかに、そうですね。ヨーロッパだと、ドキュメンタリーを日常的によく観ている気がしていて、そういった映像を通してファッションの裏側や食の問題など、社会問題への意識が高まっているように思います。

 

「エシカル」に関して思うのは、フランスでは「エシカル」と一括りにするのではなくて、古いものを大切にする文化が根付いていると思っています。フリーマーケットもすごく盛んだし、アプリでマーケットの情報を検索できたりして、日常生活の中でヴィンテージが身近にある。

 

フランスに暮らしてみて感じるのは、ものを大切にして、周りを愛することが「エシカル」だなって感じます。愛着のあるものが身近にあると、視野が広がる気がするんですよね。人の繋がりが見えてくる感じ。

好きなことをするって、楽しいことではあるけど楽ではないと思っていて。好きなことをしつつ、いろんなことに目を向けながら、目の前にあるものが「本質」かどうか考えることって大切だと思うし、そうすることでまた新しい視点が広がると思います。古いものを愛着を持って見つめる。そういった「ものを見る目」を養っていくことが、「エシカル」につながると思っています。

 

今の私にとって「エシカル」は、「本当の豊かさを見つけるための指標」のようなものかもしれません。ものづくりの裏側にある世界や現実を知ることは、自分にとって本当に大切なことは何なのかを考えるきっかけにもなります。様々な情報が氾濫する世の中で、自分自身の価値観は何かを見つめて問い続けるのは、自分の納得する生き方に向かい、より豊かに幸せを感じられる心を養うことに繋がると思うのです。

「エシカル」という視点を通じて、私自身はもちろん、誰かがそんな風に楽しみながら新しい自分を発見する一助となれれば、これ以上嬉しい事はありません。






真鍋 実恵さん

atelier Bourgeons代表。パリ郊外ブローニュ在住。岐阜県出身。大学時代、サステイナブルなものづくりに興味をもち、関連記事の寄稿を行う。週末にはバンタンスクール・スタイリング科に通いつつ、プロスタイリストのアシスタント業務で実践的なノウハウを学ぶ。大学卒業後、本格的に服創りを学ぶため渡仏。パリのデザイナーズブランドで働く傍ら、パタンナー専門学校AICPに通い、仏政府公認レディースパタンナー資格を取得。2016年、デッドストック生地や布切れを使って服創りを開始し、atelier Bourgeons を立ち上げる。



atelier Bourgeons

HP:https://www.atelierbourgeons.com/

Instagram:https://www.instagram.com/atelier_bourgeons/

Facebook:https://www.facebook.com/atelierbourgeons/

MARI KOZAWA by
96年生まれ。大学で国際協力を勉強し、実際に海外へに足を運びながら「エシカルな(透明な)社会システム作り」を軸に活動中。エシカルファッションブランドTSU.NA.GU.の運営に参画し、ファッションの透明性の発信や生産者と消費者のプラットフォームづくりを行う。