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ゴミ山からの挑戦

●あなたが今ポイっと捨てたそのゴミ、発展途上国ではどのように処理されるかご存知ですか?

日本でもゴミ問題は深刻ですが、途上国はなおさらです。
なぜなら、ほとんどの途上国がゴミ処理焼却施設が無いからです。 カンボジアもしかり。

では、国中から出る大量のゴミをどのように処理するのでしょうか?

答えは簡単です。地中にそのまま投棄するのです。 ゴミは分別もされず野ざらし。
ゴミ集積場が満杯になると、また別の土地に作ります。

まず、東京ドームを上回る広大な更地に20〜30メートルの深さの巨大な穴を掘ります。
そして、ある日突然、周辺の住人には何の通達も無く、近隣のゴミを大量に積んだ収集車が次々とやって来て廃棄物を捨てて行くのです。

ゴミ集積場が出来た途端、農村の暮らしは一変します。
強烈な悪臭、ダイオキシンによる深刻な健康被害、ゴミから出るメタンガスにより突然起こる爆発、
工場や病院から出たゴミに含まれる危険物。

それらを知りながら、住民の約一割がゴミの分別作業に携わっています。

そこには子供達の姿もあります。

仕事が少ない農村の人々にとって皮肉にも、ゴミ山が貴重な収入源となったのです。
賃金は農村の平均月収の約2倍、100ドル。

●巨大なゴミ山

2018年8月、山勢拓弥さんが主催しているスタディツアー(http://kumae.net/ja/スタディツアー/)に参加し、
世界遺産アンコールワットを要するシェムリアップ郊外にあるアンルンピー村を訪ねました。

湖の対岸からゴミ山を見たのですが、まず、その巨大さに圧倒されます。

うず高く積み上げられたゴミが太陽の光に反射されて白く光る姿は、不気味ささえ感じられました。
ゴミから出る汚水は農民の生活用水でもある、湖や川に流れ込みます。
そこで水遊びをする子供達を見て胸が締め付けられる思いがしました。
水辺では牛が草を食み、犬がゴミをあさっています。しばらくの間、言葉が見つかりませんでました。

●一大決意

2012年、山勢さんが大学一回生の時、初めて訪れたカンボジアでその異様な光景を目の前にして衝撃を受けます。
何かできないかと考えた彼はすぐに行動を開始。
言葉も通じない彼等を理解したいとの一心で、なんとゴミ山に通い共に分別作業を始めたのです。

その後、悩んだ末大学を中退し、ゴミ拾いに代わる雇用を生み出すため、この土地で事業を立ち上げることを考えます。
起業するにあたり、環境に配慮した自然でリサイクルが出来るものを利用したいと考えたそうです。

 

 

●そこで目をつけたのがバナナペーパー

バナナは成長が速いうえ、一度果実が実った木は放っておくと枯れ落ちて新しいものに生え変わります。
収穫を終え廃棄される茎を有効利用するため、非常にサスティナブルな素材なのです。

山勢さんは水に弱いバナナペーパーにポリエステルを混ぜ、耐水性を増し丈夫な素材に改良しました。
そして、アジアの紙“Ashi”と名付けました。

 

アンルンピー村の工房では10人の女性がバナナペーパーと雑貨の製造をしています。

週休2日を守り、子供も一緒に出勤OK。働いていたのは笑顔の素敵な優しいお母さん達でした。
彼女達の全員が、ゴミ集積場で働いた経験があります。
ひとりでも多くのゴミ山で働く人を減らしたいと、集積場へ足を運びスカウトすることもあるそうです。

 

では、ここでバナナペーパーの作り方をご紹介。

①茎が硬い部分と柔らかい部分に分けます

 

②削ぎ分けた繊維を2日間煮込みます

 

③柔らかくなった繊維を叩いてさらに柔らかくします

 

学校帰りにお母さんのお手伝い

④乾燥させて細かく切り刻みます

 

⑤バナナの繊維と低融点ポリエステルを水の中に混ぜて溶かし、漉いて紙にします

 

その後、縫製してAshiグッズの完成!

 

Ashiグッズは、シェムリアップにあるショップ2店舗他で購入できます。 http://kumae.net/ja/ashi-2/

日本ではオンラインで購入できます! https://kumae.handcrafted.jp/4

バナナの繊維の素朴な風合いが感じられる無地と、
カンボジアらしい柄のバナナペーパーで作られたポーチ、カードケース、PCケース、トートバッグなどなど、
たくさん展開されています。
この国を愛してやまないグラフィックデザイナー北山義浩さんのデザインによる柄はどれも素敵です。

まさに、使う人がハッピー、作る人も地球もハッピーなAshiグッズ。
かわいいグッズを持つ喜びとともに、誰かの助けになっているという幸せな気持ちがもれなく付いてきます。

 

●新たな挑戦

2013年、山勢さんは村に日本語学校を設立しました。

授業料は無料です。日本語を習得することによって、村の子供達に職業の選択肢を増やしたいとの思いからだそうです。
バナナペーパーグッズの売上げの一部も学校の運営資金となります。
お買い物で応援できるって素敵ですよね。

メディアにも多数取り上げられ、社会貢献者表彰を受けた社会起業家。
しかし、実際にあった山勢さんは、自然体で気負いがなく、サッカーを愛して止まない25歳の青年でした。

でも、彼の心の奥深くにある強い芯、想いを感じます。 やりたいと思ったことにありったけの力を注いでいる山勢さんの人生。

マハトマ・ガンディー 「あなたがこの世でみたいと願う変化に、あなた自身がなりなさい」

 

 

 

 

Maya by
兵庫県生まれ  京都の短大で染織を学び、アパレルメーカーの企画、テキスタイルデザインに携わる。着る人がハッピー、作る人も地球もハッピーな服作りをコンセプトに活動中。
Comments (2)
  1. カンボジア人を応援する より:

    カンボジアはカンボジアの人々の国です。支援とかボラ慈善事業という曖昧な形はカンボジアの人達に見透かされています。ゴミの問題にしても個人的な活動ではなく行政や自治組織で取り組んでいかないと一過性のものに終わると思っています。事実そのような経験をしている人もいるのではないでしょうか。事業にしてもお情けで一時的な利益を生む物よりも10年先の本当にカンボジアの人達が自信を持って市場で勝負出来る物が生き残って行くと思います。日本語を話せるのは、ただお金が稼ぎ安いからです。カンボジア人の本当の気持ちを考えてみてください。

    1. Maya Maya より:

      ご意見ありがとうございます!
      そうお考えになられるのですね。
      私たちはこんな活動をされている方がいます。ということをお伝えし、読者の方に考えていただく機会としてFLAT.が存在していると考えています。
      ですのでこう言った意見が出るのはとても嬉しいです!
      またいつでも、思ったこと、考えたことを教えてください。
      FLAT.を訪れていただき、本当に有難うございます!

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