想いが巡る、小さくて新しい「サーキュラーエコノミー」

フードロスやファッションの大量廃棄に代表されるように、モノを大量に消費することで生まれる多くの社会課題。モノを作る過程で児童労働が問題となっていたり、年間30億着以上の衣服、600万トン以上の食料が廃棄されているなど、「モノを買う」ことで知らないうちに人や環境にしわ寄せを生んでいるという現実が。

 

そういった課題に対するアクションとして、”エシカル”な商品(労働や環境に配慮された商品)を購入する「エシカル消費」や、捨てられたり上手く活用されていなかったものを用いて新たに商品やサービスを作り価値を生み出す「サーキュラーエコノミー*1」など、近年注目されています。

 

そんな中、10月5日渋谷にて、ニュージーランドの森のなかでサステナブルな自給自足生活を営む四角大輔さんと、環境保護と平和のため市民の立場で活動を展開する国際環境NGOグリーンピース・ジャパン共催による「一夜限りのサステナブル・ナイトマーケット」が開催されました。マーケットの収益は全て若者が率いる環境プロジェクトに寄付され、地球環境の保護に役立てられます。サステナビリティへの想いが溢れるマーケットを通して、「小さなサーキュラーエコノミー」に迫りました。

 

*1:ゴミが出なくなる経済の仕組みのこと。「取って、作って、捨てる」のではなく「再利用して、作って、捨てない」という流れ。

 

 

 

「モノ」と「想い」の循環を生む場に

 

四角大輔さん(右)とグリーンピース・ジャパンの大舘弘昌さん(左)

ー このマーケットを企画された経緯を教えてください!

 

四角さん:以前から、小さな規模での「サーキュラーエコノミー」を作りたいと思っていました。自分自身は普段モノをあまり買わないのですが、ライフワークの登山やアウトドア関連のプロダクトは昔からお金を惜しまず一流品を使っていました。そういったアイテムがたくさん増えるようになって、使わなくなったモノをインターンしてくれている若者たちや学生さんに渡すように。

 

友人たちにこういった話をすると、特にファッション業界で働く方々も職業柄たくさんの洋服や物に囲まれている、と話してくれて。もう使わなくなった物たちをどう再利用しようかと思っていたところ、グリーンピース・ジャパンさんとのご縁があって、マーケットを開催することになりました。

 

大舘さん:グリーンピース・ジャパンでも、以前からユースの環境活動をサポートする機会が多く、このサーキュラーなマーケットと彼らのアクションをつなげていきたいと思っていました。今回のイベントでも、売り上げの全てを学生が運営する環境活動団体に寄付する形にしました。

 

ー たしかに、スウェーデンの環境活動家グレタさん* に代表されるように、たくさんの学生たちが環境に対するムーブメントを行っていますよね。(*スウェーデンの国会議事堂前で気候変動に対する座り込みを続けていたことがきっかけで、世界中の人々に影響を与えた16歳の少女。)

 

大舘さん:そうですね。若者たちの環境活動が盛り上がる中で、もっと大人が彼らをサポートしていくべきだと思っています。

 

四角さん:僕がレコード会社にいた時、10〜20代前半のアーティストと接する機会が多く、彼らの熱い想いを日々感じていました。音楽に命をかける人を世の中に届ける。そして世の中へ「いいインパクト」を作る。これが、当時の僕の「生きがい」でした。

今は、サステナブルなプロジェクトのディレクションやエシカルブランドのアドバイザリー、大学の非常勤講師などをやらせていただいていますが、そこで出会う次世代たちのパッションにいつも感動させられます。世の中を良い方向へ変えていくために、行動する若者をもっと応援したいと思っています。




私たちから起こす、「サーキュラー」なアクション

 

TSUNAGUも出展させていただきました!

 

今回出展されたのは、エシカルやサステナビリティの活動を進める個人や団体。環境問題の解決に向けて活動をする団体や、世界のソーシャルグッドな情報を発信するメディア、ファッションを通して「エシカル」を届けるブランドなど、それぞれが熱い「想い」を持ってサステナブルな社会の実現を目指しています。

 

「この地球を壊す新しいモノはもういらない。想いとともに今あるモノを循環させよう。」

モノを通して想いを循環させる小さな「サーキュラーエコノミー」は、私たち一人ひとりに出来ること。まずは、普段の生活の中から「サステナビリティ」を考えていきませんか?



 

【イベントリーダー】

・四角大輔さん(ニュージーランド在住の執筆家)

ニュージーランドの原生林に囲まれた湖畔でのサステナブルな自給自足ライフを営む自然派作家/一般社団法人the Organic 副代表、国際環境NGO〈Greenpeace〉オーシャンアンバサダー、環境省〈森里川海〉アンバサダー、パタゴニア〈Provisions〉プロセールス/『人生やらなくていいリスト』『LOVELY GREEN NEW ZEALAND 未来の国を旅するガイドブック』『バックパッキング登山入門』、ベストセラー『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』など著書多数/レコード会社プロデューサー時代、10度のミリオンヒットを創出/公式メディア〈4dsk.co〉/Instagram:4dsk.co

 

・国際環境NGO グリーンピース・ジャパン

グリーンピースは環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。世界55以上の国と地域で活動し、国内だけでは解決が難しい地球規模で起こる環境問題に、グローバルで連携して解決に挑戦することが私たちの強みです。政府や企業から資金援助を受けず、独立したキャンペーン活動を世界各国で展開しています。国連では国際NGOに与えられる最も高い地位の1つである「総合協議資格」が認められており、国連での各会議にオブザーバーの資格で出席し、環境問題の専門家として各国政府へのアドバイスや提言を行っています。https://www.greenpeace.org/japan/



【寄付先プロジェクト】(50音・アルファベット順

・「Bye Bye Plastic Bags Tokyo」 https://www.instagram.com/bbpbtokyo/?hl=ja

・「Climate Youth Japan 気候リーダー育成」https://climateyouthjapan7.wixsite.com/mysite

・「核ごみプロセスをフェアに!」

HP:https://asjkakugomi.amebaownd.com/

クラウドファウンディング:https://00m.in/17WLZ

・「地球のためにつながろう Unite for Earth(現在、このプロジェクトの募集は終了しました)

 

【出展者・登壇者】 (50音・アルファベット順

350.org Japan

Bye Bye Plastic Bags Tokyo

Climate Youth Japan

Fashion Revolution Japan

Fridays For Future Tokyo 梶原 拓朗(かじわら たくろう)さん

IDEAS FOR GOOD

一般社団法人TSUNAGU

鎌田 安里紗(かまだ ありさ)さん(モデル・エシカルファッションプランナー)

株式会社ツイギー

 

河野 竜二(こうの りゅうじ)さん(アースデイ東京事務局長)

国際青年環境NGO A SEED JAPAN

自然電力株式会社

 

・小野 りりあん氏/風間 ゆみえ氏/神田 恵実氏/佐々木 敬子氏/Noma氏/早坂 香須子氏/マリエ氏/森 星氏 / SDGs UNITED、他



【イベント運営者】

主催:RIDE MEDIA&DESIGN株式会社

投稿者プロフィール

MARI KOZAWA
MARI KOZAWA
一般社団法人TSUNAGU理事。ウェブメディア「FLAT. 」ディレクター。2018年エシカルファッションブランドTSUNAGUにジョイン。ビジネスモデル設計や生産者と消費者のコミュニケーションづくりを通して、ファッションの透明性を発信。その他、企業や団体とともにプロジェクトを企画・運営。