前編では、今回の旅先となる兵庫県・宍粟市での1日の滞在についてご紹介していきました。
ものがないときは、借りる、代用するーー
「買うこと」以外の選択、地域内での助け合いや暮らしの知恵をつかって、自ら作ることの楽しさについて触れました。後編は、滞在2日目の様子をお届けします。
眩しい太陽とともに、1日のはじまりを迎えました。水の豊かな波賀町では、キラキラと輝く川を至るところで眺めることができます。
山に囲まれた、静かな場所ーー
人混みから離れて、自然を感じられる時間は、なんとも言えない至福のひと時でした。
川のせせらぎや鳥のさえずりに身体が包まれていくようでした。ぼーっと考えごとをしたり、寝転がったりしてもよし、制作や作業も捗りそうです。
波賀町のある宍粟市は、兵庫県内ではじめて「森林セラピー基地」に認定されました。森林セラピーとは、医学的な証拠に裏付けされた「森林浴効果」のこと。
森林に囲まれながら歩行や運動、レクリエーションを行うことにより健康を促し、心身に癒しを与える効果を目的とした取り組みです。
前日に雨が降っていたこともあり、朝は空気が澄んでいて、水辺はひんやりと涼しく感じました。暑い夏には、避暑地としても快適に過ごすことができそうです。
今回訪れた赤西渓谷は、サイクリングコースとしても利用されることが多いそう。木々から差しこむ陽を浴びながら、心地よい風を感じることも、宍粟市の森林セラピーならではの楽しみ方かもしれません。
帰りのバスに乗る前、旅の最後にと「天垣内らーめん 星と月」でこだわりの詰まったラーメンをいただきました。
スープには、東山名水という播磨の湧き水を使用しているといいます。ミネラル豊富な名水でつくられたスープは、深みのある味わいでした。
製麺の仕込みにも、東山名水を使っているといいます。「はりま小麦」を100%使用している自家製麺は、つるっとコシがあり、スープとよく絡みました。
トッピングの野菜にも細やかなこだわりが。農薬・化学肥料を使わずに育てられた有機野菜をふんだんに使い、旬を楽しむ一杯をいただくことができました。
彩り豊かで想いのこもったラーメンに、お腹も心も満たされました。
兵庫県・宍粟市は、そうめんで有名な「揖保乃糸」の生産地でもあります。恵まれた気候と揖保川の清流、市内面積の9割を森林が占めるほどの豊かな自然を活かし、揖保乃糸が製造されています。揖保乃糸生産の約7割を、宍粟市で担っているとそうです。
後日、さっそく揖保乃糸で昼食をこしらえました。畑で採れた万願寺とうがらし、茄子、大葉をつかって野菜たっぷりの冷たい素麺をいただきました。
つるっと喉越しもよく、夏にぴったりな「揖保乃糸」。梅や大葉など、わさびと一緒に。夏を浴びるような涼しい昼食でした。
今回は、1泊2日で訪れた兵庫・宍粟市での様子をお届けしました。初めての旅先でしたが、たった2日間だけで魅力があふれる地域でした。
地域の方々が温かく迎えてくださったり、地元の人々の会話にも耳を傾けることができ、豊かな交流を目にすることができました。
都会から離れて、自然の中にたっぷりと溶け込む時間は、かけがえのないひと時です。心と頭をリフレッシュしに、兵庫・宍粟市を訪れてみてはいかがでしょうか。
宍粟市ホームページ:https://www.city.shiso.lg.jp/index.html