一年中スーパーに並んでいて、栄養をたっぷり含んでいるバナナ。朝ごはんや小腹を満たすおやつに食べるという方も多いのではないでしょうか…?
バナナは、日本国内をはじめ、世界のあらゆる地域で食べられており、美容やダイエットにも効果があると言われている人気のフルーツです。そんな多くの人々に愛されているバナナですが、実は生産過程で生じる「バナナの茎」の廃棄が問題となっています。
今回は「バナナの茎」に着目し、生産者の生活や環境保全を目指しているアップサイクルブランドMUSACOについてご紹介していきます!
アップサイクルブランドMUSACOは、スリランカ中西部のケゴールという地域で誕生し、小さなコミュニティで製品を生産しています。2013年より、彼らと共にハンドメイドで作られた製品を通して、地域の生計向上や環境保全の両立を目指しています。
ブランド名である”MUSACO” は、スリランカの言葉で「バナナの茎」という意味。
一見木になっているように見えるバナナですが、実は「草」に分類されるのです…!
1年間のうち、世界で廃棄されているバナナの茎は約10億トンに上るといわれているそうで、収穫後に放置されたバナナの茎が大きな問題となっています。バナナの茎は多くの場合、燃やされることで二酸化炭素を排出するため、大気汚染につながります。また、そのままの状態に放置されることで、水分が多いため腐敗し、土壌に影響を与えてしまうそうです。
このように「バナナの茎」は廃棄物の増加をはじめ、大気汚染や衛生面など環境にも人々の暮らしにも影響を与えているのです。
そんな中、MUSACOではバナナの茎を活用した自然由来製法のアップサイクルに取り組んでいます。
廃棄されるはずのバナナの茎から、化学薬品を使用しない製法で丁寧に繊維を抽出し、ハンドメイドの糸を紡いでいきます。繊維から糸を紡ぐ作業は、どんなに熟練であっても1時間に約4〜5mと手間や時間がかかるといいます。
1つひとつの作業に手間がかかる分、時間も要しますが、素朴で温かなハンドメイド商品は、作り手によって異なる「個性」が溢れ出しています。
メンバーの中には障がいを持つ方やご家族、村の女性たちも含まれており、それぞれが手を取り合って役割を分担しながら製品作りに励んでいます。
また、バナナの繊維は鮮度が重要であるため、作業場にバナナの茎を運んだり、皮剥ぎを行ったりする作業は村の男性たちが協力してくれているそうです。効率性やスピードを求められる一方で、慎重な扱いが必要なことも、細やかで価値のあるバナナ繊維が誕生する源泉となっているのでしょう…!
こちらの大きめサイズのマクラメバッグは、涼しげなイメージでこれからの季節にもぴったりですね!
開発途中の苗木用プラントポットは、見た目も可愛くて、温もりのある手触り。通常のポットとは異なり、バナナの繊維から作られているため、ポットごとに土に植えることもでき、プラスチックフリーにもつながります。
こちらは、お客さまのリクエストに応じて作られた、手のひらサイズのお財布。1つひとつ丁寧に紡いで作られた商品は、身につけているだけで愛着がわきそうですね!
MUSACOでは「ハンドメイドのバナナファイバーが持つ可能性と価値を追求する」というミッションのもと、2つのビジョンを掲げています。
1つ目のビジョンは、エコフレンドリーであること。廃棄されるバナナの茎を使用したアップサイクルを行い、環境にやさしい製法で現地の方々の創造性あふれる商品づくりを行っています。
もう一つは、ヒューマンフレンドリーであること。私たち消費者だけでなく、作り手にとってもフェアであることはもちろん、障がいを持った方々や、村の女性をはじめ、格差のないコミュニティ形成に取り組んでいます。
日本国内においては、イベントやマルシェでの出店をはじめ委託販売などを通して、MUSACOの取り組みやバナナ繊維の魅力を伝えています。また、天然素材を使用したクラフトワークショップの開催や、企業や団体と連携したオリジナルグッズ開発なども行っているそうです。
出店情報や活動の詳細については、インスタグラムや公式サイトにて発信しているそうなので是非チェックしてみて下さいね!
〈MUSACO * Sri Lanka〉
ホームページ:
Instagram:
https://www.instagram.com/musaco.sri/