写真:Greenpeace/Taishi Takahashi
11月29日、COP25(第25回国連気候変動枠組条約締結国会議)の開催を目前にして、世界中でグローバル気候マーチが行われました。日本国内でも25の都道府県にまたがり、2000人を超える人々がマーチに参加しました。
大量の製品が作られ、購入され、そして捨てられていく今。愛着のあるものを、長く大切に使っていくことは、些細ながらも、重要な意味を持つようになっています。
そんな中、国際環境NGO グリーンピース・ジャパンは、「MAKESMTHNG」というムーブメントを通じ、自らの手でものを作ったり、リメイクしたりする喜びを共有することで、一人一人がポジティブに環境問題の解決策を模索できるよう働きかけています。
TSU.NA.GU.もグリーンピースとコラボし、12月7日(土)に都内で「草木染めワークショップ」が開催されました。
草木染めとは、草木など天然の素材を煮出してつくった染液を使って衣類を染めることです。その歴史は古く、日本では縄文時代から植物や貝紫を使った染色が行われてきました。化学染料では表現できないような、温かみのある色合いが表現できること、また「着る漢方」とも呼ばれるように、植物の効能を肌に触れて感じることができることから、近年注目を浴びています。さらに、天然の材料を使っていて、水に流しても自然と分解されるため、環境への負担が小さいという利点もあり、身体にも環境にも優しい染色方法とされています。
グリーンピースの石川さんから「MAKESMTHNG」プロジェクトについて説明を受けたのち、ワークショップが始まります。TSU.NA.GU.の代表でもあり、今回講師を務める小森優美さんは、オーガニックコットンを使った草木染めのインナーブランド「Liv:ra(リブラ)」を2013年に立ち上げました。会場にはLiv:raのランジェリーやTSU.NA.GU.の靴下が置かれ、それらの商品を実際に手に取りながら、何色で、持ち寄った衣類や小物を染め上げるのかを決めていきます。
色が決まり、前処理が終わると、小森さんが目分量で染料を水に溶かしていきます。毎回同じ色で染まるわけではないところも、草木染めの魅力です。マリーゴールドの染料は、漢方のような落ち着いた香りの陰に、お花の優しいにおいが感じられるとのことで、みなさんで実際に嗅ぎ、「いい香り!」と顔をほころばせていました。
いざ、衣服を染色液に漬けてみると、瞬く間に優しい色に染め上げられます。皺を伸ばしながら揉むこと約五分、媒染液に浸してみると、またもや色味が大きく変化します。特にエンジュ(イエロー)とログウッド(グレー)の変わりようには、驚きの声があがりました。再度染色液で揉みこみ、水で濯げば、新たな装いのリメイク品の完成です。僅か15分弱、楽しくお話しながらの染色はあっという間でした。完成品をお互いに見せ、「この色もすごく素敵!」と褒め合いながら、やや興奮気味の状態で、草木染め体験は幕を閉じました。
写真撮影後はグリーンピースの石川さんによる、焼きリンゴの差し入れとルイボスティーを楽しみながら、穏やかな空気の中で、小森さんのこれまでと、これからのTSU.NA.GU.の活動についてお話を聞きました。
社会貢献と聞くと、どうしても背筋が伸びてしまいがちな中で、喜びや楽しみというポジティブな形で、その実践に取り組んでほしい。このような、小森さんと、そしてグリーンピースの考えが、まさに実現されたワークショップとなりました。